「マッチングアプリで出会った人に、ビジネスの話をされた」
「デートだと思って行ったら、セミナーに誘われた」
――こうした体験談、近年とても増えています。
国民生活センターによると、マッチングアプリを通じたネットワークビジネス(マルチ商法)や投資勧誘の被害が年々増加しています。
恋愛を装って接近し、信頼関係を築いた上で商品や情報商材を販売するケースが多く、「恋愛詐欺」とも紙一重です。
この記事では、マッチングアプリを利用したビジネス勧誘者の特徴や手口、被害を防ぐ方法を詳しく解説します。
Contents
なぜマッチングアプリがビジネス勧誘に悪用されるのか
マッチングアプリは本来、「恋人や結婚相手を見つけるための出会いの場」です。
しかし、人の心理的な“安心感”や“期待感”が利用しやすい環境でもあります。
恋愛のやりとりでは「信頼」や「共感」が早く生まれるため、ビジネス勧誘者にとっては格好のターゲットになります。
また、アプリの多くは匿名性が高く、本人確認があっても職業や収入の真偽までは確認されません。
そのため、「起業家」「フリーランス」「投資家」などと名乗っても、実際にはネットワークビジネスの会員であることが多いのです。
マッチングアプリでのビジネス勧誘の典型的な手口
共感で心を開かせる
最初の段階では恋愛トークが中心です。
「価値観が似てる」「人生を大切にしたいタイプですね」「一緒に成長できそう」
――このようなポジティブで共感的なメッセージを使い、安心感を与えます。
職業や収入をぼかす
「自営業」「フリーランス」「自由な働き方」「投資も少しやってる」など、
明確な職業を言わず、“成功してそう”な雰囲気を出します。
具体的な仕事内容を聞くと「説明すると長くなるから会った時に話すね」と逃げることも多いです。
すぐにLINEに誘導
マッチングアプリ内よりも、LINEやInstagramに誘導しようとします。
理由は、アプリ上で通報されるのを避けるためです。
LINEに移った途端、ビジネス関連の話題が増えたり、セミナーや勉強会に誘われるケースがよくあります。
デートのつもりがセミナー会場
「お茶しよう」と言われて行ったら、そこはカフェではなく勉強会やビジネスミーティングだった――という被害は非常に多いです。
その場で「師匠」や「成功者」を紹介され、心理的に断りにくい状況に追い込まれます。
恋愛を利用した囲い込み
「あなたと一緒に成功したい」「パートナーとして成長しよう」など、
恋愛とビジネスを混ぜて感情を揺さぶります。
結果的に「恋人」ではなく「ビジネス仲間」として関係を続ける羽目に…。
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マッチングアプリでビジネス勧誘してくる人の特徴10選
以下の特徴に複数当てはまる人は要注意です👇
| 特徴 | 具体例 |
| 1. プロフィール写真が“意識高い” | スーツ姿、セミナー風、海外旅行写真、ブランド品など |
| 2. 自己紹介文に抽象的な成功ワード | 「自由」「夢」「感謝」「人生を変える」「学び」「仲間」など |
| 3. 職業があいまい | 「自営業」「個人事業主」「投資家」「ビジネス勉強中」など具体性なし |
| 4. 返信が早く褒め上手 | 「考え方素敵」「出会えてよかった」など共感を連発 |
| 5. LINE移行が早い | 数回のやり取りでLINE交換を希望 |
| 6. デート前から価値観トーク | 「どんな人生を送りたい?」「将来の夢は?」など哲学的な話が多い |
| 7. 会う場所が限定される | 特定のカフェやレンタルスペースに誘導 |
| 8. 複数人と会いたがる | 「仲間も紹介したい」「面白い人がいる」と第三者を登場させる |
| 9. SNSでの活動を見せる | インスタに「ビジネス仲間」「感謝」「講師との写真」などが並ぶ |
| 10. 恋愛感情よりも“共に成功”を強調 | 「一緒に学ぼう」「チームで夢を叶えよう」など |
第4章 被害の実例と心理的トリック
ケース1:「恋愛」から「勧誘」へ
30代女性Aさんは、マッチングアプリで出会った男性と数回デートを重ねた後、
「もっと成長したい」と語る彼に共感し、セミナーに同行。
そこで「自由な生き方」を学ぶという高額講座(30万円)を契約させられた。
ケース2:「パートナーとして成功しよう」
40代男性Bさんは、年下女性に惹かれ、ビジネスの勉強を一緒に始めた結果、
「成功したら結婚しよう」と言われてマルチ商法の会員登録。
最終的に多額の在庫を抱え、彼女とも疎遠に。
これらはすべて、「信頼」や「恋愛感情」を利用した心理操作によるものです。
人は“好意”を持つ相手の言葉を疑いにくくなるため、冷静さを失ってしまいます。
被害を防ぐためのチェックポイント
- 「仕事何してるの?」に答えが曖昧なら警戒
→ 具体的に仕事内容を話せない人は要注意。 - 「自由」「夢」「成功」「学び」などの言葉が多い
→ 抽象的な自己啓発ワードを多用する人は警戒。 - 「一度会って話したい」より「Zoomで話そう」
→ オンラインで話したがる人も、セミナー勧誘の可能性あり。 - 「あなたならできる」「特別な人」などの褒め言葉
→ 心理的に依存させて勧誘に導くパターン。 - “仲間”や“チーム”という言葉が出たら要注意
→ MLMの常套句。「仲間」という言葉で距離を詰める。
第6章 もし勧誘されたらどうするか
はっきり断る
「興味ありません」「ビジネスの話はしたくありません」と明確に伝えましょう。
曖昧にすると「まだチャンスがある」と思われ、しつこくされます。
LINE・SNSをブロック
関係を断つのが一番効果的です。
情に流されず、毅然とした態度を取りましょう。
契約してしまった場合
- **クーリングオフ制度(20日以内)**を利用できる場合があります。
- 消費生活センター(局番なし188)または国民生活センターへ相談。
- 高額な支払いをしてしまった場合は警察・弁護士への相談も検討を。
アプリ運営会社に通報
Pairs・with・タップルなど大手アプリには「通報機能」があります。
運営に報告することで、他のユーザーの被害も防げます。
マッチングアプリで安全に恋愛を楽しむコツ
- プロフィールだけで信用しない
- 「仕事の話」を早期にする人には注意
- SNSを連携させている場合は、ビジネス臭をチェック
- 会う前に名前や勤務先を軽く調べる
- 初対面では人の多い場所(カフェ・駅近など)で会う
アプリ自体は悪くありません。
ただし「出会いの場にはリスクがある」という意識を持つことが大切です。
まとめ:恋愛の“信頼”を悪用する人たちに注意
マッチングアプリを利用したビジネス勧誘は、
恋愛感情という人の弱点を突く、非常に悪質な手口です。
彼らの目的は「あなたと恋をすること」ではなく、
「あなたをビジネスの客・会員にすること」です。
“恋愛”を装ったビジネス勧誘者を見抜く力こそが、
これからのマッチング時代に必要な自己防衛です。
「自由」「成功」「仲間」「学び」などの言葉の裏に、
本当にあなたの幸せを考える気持ちがあるのか――
冷静に見極めていきましょう。
